『熱海殺人事件』

久しぶりに『熱海殺人事件』を観た。池田純矢の木村伝兵衛が想像できず、どんな感じになるのか観たかったのだが、なんと体調不良で出なかった。池田伝兵衛が観れなかったのは残念だけど、代わりに出た荒井敦史伝兵衛はちゃんとよかった(もともとWキャストだった)。

Wキャストがシングルキャストになる大変さを考えると言いにくいが、コロナ禍を経て、俳優もいざとなったら休めるようになったことに安心する。でも本番を休むとギャラはもらえないのかな。そこは気になる。

本題の『熱海殺人事件』は、もう何回観たかなというくらい観ているが、だんだんと、自分が情けなくなる作品になってきている。自分は一体この歳までなにをしていたのか。なぜつかこうへいが書いた戯曲がいま響くのか。むしろこの時代のほうがまともだったんじゃないか。国を後退させたのは自分たちではないか。そんなことを延々と考えながら観ていた。この戯曲のことをまるっと理解することは今もできないけど、私の中では見えかたが変わった。