劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦

『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』を観た。なんとなく自分は、こういう類の映画を観に行かずに人生を終えると思っていた。映画館で観たことのあるアニメは、ジブリと最近のスラムダンクくらいで、なんならジブリも『トトロ』と『千と千尋の神隠し』くらい。紙で読む漫画と生で観る舞台が好きだから、なかなかそこまで手が回らない。

なんで観たくなったのかというと、原作が好きだったのは間違いないが、興行成績が良かったのと新宿で大々的に広告展開をしていたからだと思う。つられた。ずっと、「ゴミ捨て場の決戦の良さは知っているので、わざわざ映画で観なくてもいい」と思っていた。

なんとなく『スラムダンク』の経験から、音が良いほうがいいだろうなと思い、IMAXにした。体育館の音は好きだし。始まって5分くらいで涙が出てきて、そのままぐずぐずと泣きながら観ていた。なにに泣いたのか。きちんと演出に泣かされたんだと思う。

スポーツの試合を映画にするとこうなるよな。ひとつの試合に詰まった想い、ひとつのプレーに詰まった時間、それがここにいま結晶になって、だけどこの先も続いていく。クライマックスがあるっちゃあるが、ないっちゃない。そもそもクライマックスみたいな試合だしね。なんせ研磨が研磨だし。でもずっと涙が溢れてくるような映画だった。終わった後、トイレに行ったら号泣したあとみたいな顔になっていた。

ハイキューのことを考えると、作品の存在も含めたまるごとでなにかを表現している感じがする。試合そのものを表現しているのかもしれないし、人生を表現しているのかもしれないし、ただただ瞬間を描いているだけかもしれないと思う。でも、観ることができてよかった。